[2708] 恵林寺のゲン
[2710] 恵林寺のゲン
…こちらを向いているのにまるで僕のことがみえていないような感じで、「フー、フー」と息を吐きながらひたすら歩き続けている。以前よりもひと回りほど痩せていて、ふらつきながら歩いているものだから度々あちこちぶつけ、転び、それでも歩き続け、だから傷だらけだったんだ。ボケちゃったんだ…。撫でてやっても反応がない。どうしてやることもできない。呆然としたままその場から離れられなかった。やがて通りかかった女性が名を呼びながら近づいて行ったので、バトンタッチする形で引き揚げました。もう長くは生きないんじゃないか。せめて最後まで玄が大事にされますように…。あんなに人懐こいヤツだったのに…悲しくて悲しくて、とてもやりきれない。
半年ぐらい前会ったときはまだ元気で、いつもどおりゴロンと仰向けでおなかを見せる
人懐こいヤツでした。しかし先日「おい生きてるか」と近くに来たついでに
覗いてみるとなんだか様子がおかしい…生きてはいるが傷だらけの泥だらけ…